ご挨拶
第22回四国お遍路LIVE開催にあたって

日浅 豪先生 第22回四国お遍路LIVE
当番世話人 日浅 豪
愛媛県立中央病院循環器内科

この度、第22四国お遍路LIVEを開催するにあたり、ご挨拶申し上げます。

 昨年開催された第21回のテーマは「継承」でした。そこには、これまで先輩方が築き上げてこられたPCIの見識や技術のみならず、その根底にある魂と情熱までも受け継いでいきたい、そんな願いが込められておりました。今回は、その思いをしっかりと胸に引き継ぎ、テーマを「守破離」といたしました。やや耳にする機会の少ない言葉かもしれませんが、日本の武道や芸道における修行の段階を示す概念で、成長の過程を「守」「破」「離」の三段階で表します。師の教えを忠実に守る“守”、その教えを打ち破り自らの工夫を加える“破”、そして型から離れ、独自の境地へと至る“離”。この三段階は、修行や芸事にとどまらず、私たちが日々研鑽を重ねるカテーテルインターベンションの世界にも深く通じるものです。

 本会では、この「守破離」の理念を踏まえ、四国のカテーテルインターベンションの将来を担う気鋭の先生方にオペレーターをご担当いただきます。次世代へと受け継がれるべき基本手技の確実な習得、新たなデバイスやアプローチを積極的に取り入れる柔軟な挑戦、さらには個々の症例に応じた独自の戦略構築――そのすべてを、参加者の皆様にLIVEの場で体感いただけますと幸甚に存じます。あわせて、ディスカッサントとして多くの若手の先生方にもご登壇いただき、若者らしい柔軟かつ率直なご意見を伺えることを大いに期待しております。
 加えて、近年急速に症例数が増加しているSHDインターベンションも幅広く取り上げます。冠動脈治療との複合戦略や治療の最適化など、現場で直面する課題に即した実践的な議論を通じて、明日からの診療に直結する知見をお持ち帰りいただけることを目指しております。
 ぜひ、この機会に松山にお越しいただき、お時間が許せば、道後温泉をはじめとする松山の名所もぜひご堪能いただき、本会とともに思い出深いひとときをお過ごしください。昨年の開催地・徳島県から託された“遍路の灯”を、来年の開催地・香川県へとしっかりとお渡しすべく、本会を実りあるものにしてまいります。LIVE当日が、皆様にとって新たな知見と出会いに恵まれる一日となり、四国お遍路LIVEが心に残る“巡礼”の旅路となりますようお祈り申し上げます。


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